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診療報酬改定は何年ごとにある?2024年の改定内容や2026年への備えを解説
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診療報酬改定は何年ごとにある?2024年の改定内容や2026年への備えを解説
診療報酬改定は何年ごとにある?2024年の改定内容や2026年への備えを解説
医療機関/クリニック/歯医者
公開日:
診療報酬改定は、医療機関の経営に大きな影響を与える重要な見直しです。診療報酬は国の制度によって定められており、医療の質向上や社会情勢の変化に合わせて定期的に改定されています。
改定内容を正しく理解しておかないと、算定ルールや請求手続に対応できず、経営面で不利益を被る恐れもあるでしょう。
本記事では、診療報酬改定が実施される年数、2024年の改定内容、2026年の改定に備えた準備を解説します。
もくじ
診療報酬改定は2年ごとに実施される
診療報酬改定は、原則2年ごとに実施され、医療機関が受取る診療報酬の金額や算定ルールが見直される仕組みです。社会情勢の変化、医療技術の進歩、医療費の増減などを踏まえ、中央社会保険医療協議会(中医協)を中心に検討が進められます。
見直しの対象は、入院医療・外来医療・在宅医療など、あらゆる診療分野の報酬体系です。過去の改定では、医療従事者の処遇改善、地域医療の強化、人生100年時代に向けた体制づくりなどが重点的に取り上げられてきました。
なお、直近の改定は2024年に実施され、次回の改定は2026年に予定されています。
前回の2024年改定内容を踏まえると、今後は医療の質向上と持続可能な制度設計の両立が求められるでしょう。2026年の改定では、医療DXの推進や高齢社会への対応、さらに物価・人件費高騰への対策が注目されると予想されます。
改定の方向性や議論の流れを早めに把握するためには、厚生労働省や関係団体が公表する会議資料を定期的に確認することが大切です。
そもそも診療報酬とは?
診療報酬とは、医療機関が診療・処方・治療などの医療行為に応じて受取る報酬のことです。日本では公的医療保険制度のもと、厚生労働大臣が「診療報酬点数表」によって報酬額を定めています。
なお、患者が支払う自己負担分を除いた金額は、国民健康保険や健康保険組合などの保険者から医療機関へ支払われます。
診療報酬制度は、すべての人が必要な医療を公平に受けられる体制を維持するための重要な仕組みです。
診療報酬について詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
診療報酬改定が実施される理由
診療報酬が定期的に改定される理由は、社会や経済の変化に合わせて医療制度を適正に維持するためです。
厚生労働省の「令和6年度 医療費の動向」によれば、2024年度の概算医療費は48兆円に達し、伸び率は前年同期比で1.5%増加しています(※1)。
2019年度から2024年度までにおける医療費の平均伸び率も1.9%の増加となっており、医療提供体制を取り巻く財務的な負担が増していると言えるでしょう(※1)。
また、医療の現場では、物価・人件費の上昇などによるコストの変動が発生しています。
たとえば、厚生労働省の「医療機関を取り巻く状況について」によると、医療費の増加により利益率が低下しているケースが多く見られます(※2)。
人件費に関しても、新設のベースアップ評価料を届け出た医療機関において、2024年度の賃金増率は全体の中央値が2.59%、加重平均値が3.07%でした(※2)。
こうした変化に対応しなければ医療機関の経営が圧迫されてしまい、安定した医療提供は難しくなるでしょう。
特に、医療行為は非課税取引にあたるため、医療機関は医療品や設備を購入する際に消費税を負担しているいっぽうで、患者から消費税を受取ることはできません。
そのため、消費税率が引き上げられた際には、医療機関の負担を軽減する目的で診療報酬が見直される場合もあります。
ただし、その見直しでは十分ではないとの声もあり、非課税のはずが実質的には患者が費用を負担している点などについても議論が続いています。
さらに、医療技術の進歩や高齢化の進展により、医療ニーズが大きく変化している点も改定が実施される重要な要因です。
新しい治療法や検査を正当に評価し、時代に合った報酬体系へ更新することで、医療の質と公平性を保つ仕組みが整えられています。
過去の診療報酬改定における主な内容
過去の診療報酬改定では、時代ごとの社会情勢や医療課題に応じて、内容が大幅に見直されてきました。
以下では、主な改定内容を年代順にまとめています。
年代
改定内容
1927年
健康保険法施行
1958年
新医療費体系導入
1974年
狂乱物価の影響による合計約35%の大幅引上げ
1984年
入院医療体制・在宅連携・医療費抑制の見直し
1994年
甲・乙点数表一本化、特定療養費拡充、かかりつけ医評価見直し
1997年
消費税率引き上げにともなう診療報酬の調整、長期入院是正
2000年
入院基本料新設、薬剤関連技術料の評価の見直し、小児医療拡充
2006年
大幅なマイナス改定(改定率−3.16%)でコスト抑制を強化
2012年
地域連携体制の強化、在宅医療の充実
2020年
医療従事者の負担軽減、地域包括ケアシステムの推進
2024年
医療人材の処遇改善、医療DX推進、地域包括ケア強化による持続可能な医療体制への転換
過去の診療報酬改定では、医療費の抑制、医療従事者の負担軽減、在宅医療の充実など、時代ごとの社会的課題に応じて調整されてきました。
特に2000年代以降は、高齢化・医療費増加への対応、地域包括ケアの推進など、持続可能な医療体制の構築が一貫したテーマとなっています。
直近(2024年)の改定内容については、次の項目で詳しく解説します。
2024年の診療報酬改定内容
2024年の診療報酬改定率は、診療報酬本体で+0.88%の引き上げとなりました(※)。この改定では、医療・介護・障害福祉の3分野が同時に見直される「トリプル改定」が実施されています。
また、施行時期が通常の4月から6月へと変更され、医療機関が十分な準備期間を確保できるよう配慮されました。
以下では、2024年の診療報酬改定における主な改定項目を紹介します。
出典:厚生労働省保険局医療課「令和6年度診療報酬改定の概要(医科全体版)」
給料・基本料などの引き上げ
医療従事者の人材確保と処遇改善を目的として、賃上げを中心とした見直しが実施されました。その全額を賃上げ目的で使用することを条件として加算を可能とする「ベースアップ評価料」が新設され、2.3%を目安とした賃上げが実施されています(※)。
ほかにも、賃上げと入院料通則の改定を理由として入院基本料も見直されました。具体的には、入院料通則の見直しにおいて、栄養管理体制の基準整備や患者の意思決定支援に関する要件が新たに設定されています。
さらに、標準的な感染対策の実施を前提として、初診料・再診料も引き上げられました。
主な新設点数は以下のとおりです(※)。
区分
新設点数
外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)
6点(初診時)
外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)
2点(再診時など)
入院ベースアップ評価料
1〜165点
出典:厚生労働省保険局医療課「令和6年度診療報酬改定の概要(医科全体版)」
医療DXの促進
医療DXの推進も大きなテーマとなり、マイナ保険証を活用した情報連携を評価する「医療情報取得加算」が新設されました。この加算は初診時に加えて再診時も3ヶ月に1回算定可能です(※)。
さらに、「医療DX推進体制整備加算」では、電子処方箋や電子カルテの共有など、DX環境の整備が算定要件として設定されました。2024年10月からは、マイナ保険証の利用率が施設基準に追加されています。
また、「在宅医療DX情報活用加算」により、マイナ保険証の情報を活用した訪問診療計画の立案が評価されるようになりました。在宅医療における情報の共有・連携の効率化も期待されています。
主な新設点数は以下のとおりです(※)。
区分
新設点数
医療情報取得加算(初診時)
1点
医療情報取得加算(再診時・3月に1回)
1点
医療DX推進体制整備加算1
12点(医科)
在宅医療DX情報活用加算1
11点(医科)
医療DXについて詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
出典:中央社会保険医療協議会「医療DX推進体制整備加算等の要件の見直しについて」
ポストコロナ時代における感染症対策の促進
感染症法の改正を受け、ポストコロナ時代に対応した感染症対策の評価が強化されました。
協定指定医療機関の体制整備が評価対象となり、感染症の発生時に地域で迅速な対応ができる仕組みづくりが求められています。
さらに、「発熱患者等対応加算」や「特定感染症入院医療管理加算」の新設により、外来・入院の両面で感染症対策を評価する枠組みが拡充されました。
また、抗菌薬の適正使用を推進する加算も新設され、耐性菌対策や薬剤管理の徹底が進められています。
主な新設点数は以下のとおりです。
区分
新設点数
特定感染症入院医療管理加算
治療室:200点
そのほか:100点
特定感染症患者療養環境特別加算
個室:300点
陰圧室:200点
発熱患者等対応加算
20点
抗菌薬適正使用体制加算
5点
急性期リハビリテーション加算
50点(14日目まで)
出典:厚生労働省保険局医療課「令和6年度診療報酬改定の概要(医科全体版)」
外来医療における機能の分化・強化など
外来医療においては、機能分化と地域に根ざした医療提供体制の強化が図られました。
特に、生活習慣病の重症化予防と継続的な治療支援を目的として、「生活習慣病管理料(Ⅱ)」が新設されました。「生活習慣病管理料(Ⅱ)」は、療養計画書への患者の同意やガイドラインに基づく診療の実施が算定の要件です。
また、かかりつけ医とケアマネジャーとの連携を促進し、地域包括診療体制のさらなる強化が推進されています。
加えて、リフィル処方箋や長期処方の活用を進めることで、通院負担の軽減や効率的な薬剤管理をめざしています。一般名処方加算も見直され、後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用を促進する内容となりました。
主な新設点数は以下のとおりです。
区分
新設点数
生活習慣病管理料(Ⅱ)
333点(月1回)
出典:厚生労働省保険局医療課「令和6年度診療報酬改定の概要(医科全体版)」
医療機能に応じた適切な入院治療の評価
2024年の改定では、医療機能に応じた適切な入院治療の評価が強化されました。
特に、高齢者の急性期治療と早期退院支援を目的として、「地域包括医療病棟」が新設されています。「地域包括医療病棟」では、リハビリテーションや栄養管理などを一体的に実施し、急性期治療から在宅復帰までを切れ目なく支援する体制が整えられました。
また、重症度や在院日数の基準が見直され、急性期医療における病棟機能の分化がさらに進められている状況です。医療資源の効率的な活用と患者の早期在宅復帰を両立させる仕組みの構築も促進されています。
加えて、「特定集中治療室管理料」の見直しや遠隔ICU加算の新設など、医療従事者の働き方改革にも対応した評価が導入されています。
主な新設点数は以下のとおりです。
区分
新設点数
地域包括医療病棟入院料
3,050点
特定集中治療室管理料5・6
8,890点
出典:厚生労働省保険局医療課「令和6年度診療報酬改定の概要(医科全体版)」
トリプル改定とは?
トリプル改定とは、診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬の3つが同時に改定されることを指します。診療報酬は2年ごと、介護報酬と障害福祉サービス等報酬は3年ごとに改定されており、6年に1度この3つの改定時期が重なります。
2024年がそのタイミングとなり、医療・介護・障害福祉の制度全体を通じた連携強化と一体的な見直しが実施されました。切れ目のないサービス提供体制を構築し、医療と介護の連携をより強固にすることが目的とされています。
また、現場の働き方改革や人材確保を重視し、賃上げを支援するための評価体系も整備されました。
介護報酬改定について詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
2026年の診療報酬改定に備えた準備
診療報酬改定は、医療機関の経営や現場運営に大きな影響を与えます。そのため、改定内容を正しく理解し、適切に対応するためには、十分な事前準備が必要です。
以下では、改定に向けて医療機関がすべき主な準備を紹介します。
医療従事者の働き方や収入に関する見直し
2026年の診療報酬改定では、賃上げや人材確保を目的とした評価が継続される可能性が高く、働き方や処遇の見直しが求められるでしょう。
働き方については、人員配置・労働時間管理・夜勤体制などをあらためて見直し、適正な労務環境を整える必要があります。
また、ベースアップ評価料の仕組みを踏まえ、賃金体系や評価基準を再検討し、職員のモチベーション維持につなげることが重要です。ベースアップ評価料は基本給などの引き上げに充てることが前提とされており、一時金としての扱いではありません。
なお、2024年の改定ではベースアップ評価料の新設に伴い、2024年度は+2.5%、2025年度は+2.0%を目安に賃上げを実施する方針が示されています(※)。
出典:厚生労働省保険局医療課「令和6年度診療報酬改定の概要(医科全体版)」
診療報酬の算定ルール変更に対応する準備
2026年の改定では、診療報酬の算定ルールが変わる可能性があります。そのため、早い段階から情報収集を進め、中医協資料や過去の改定傾向を分析し、変更の可能性が高いポイントを把握しておくことが重要です。
たとえば、直近の2024年に実施された改定では診療報酬本体の改定率が+0.88%となり、医療DXの推進や人材確保などに重点を置いた内容でした(※)。
過去の改定を踏まえ、自院の診療科目や提供サービスに関係するポイントを早めに整理しておく必要があります。
特に注意すべきなのは、新設・廃止・要件変更が多い加算項目です。2024年の改定でも初診料・再診料の引き上げやDX関連加算の新設など、複数の変更がありました。
新たなDX加算や人材確保加算などが登場した場合、受付業務・カルテ記載・レセプト入力・患者説明といった業務にも影響がおよびます。算定ルールの変更に合わせて、診療録、療養計画書、レセプト入力方法などを事前に見直しましょう。
出典:厚生労働省保険局医療課「令和6年度診療報酬改定の概要(医科全体版)」
レセプトシステムや電子カルテの改修
2026年の診療報酬改定に備え、レセプトシステムや電子カルテにおいて、最新仕様に対応できる体制を早めに整えておくことが求められます。
改定直前になってからの対応では、入力ミスや算定漏れが発生しやすく、業務全体に混乱を招く恐れがあるためです。
特に、新設・廃止される診療報酬点数や加算項目への対応はシステム更新の中心となります。システムベンダーとの調整を前倒しで進め、電子カルテのマスタ更新やテスト作業の期間を確保しておくことが重要です。
また、マイナ保険証や電子処方箋などの医療DX関連の要件変更も想定しておく必要があります。
実際、2024年の改定では「医療DX推進体制整備加算」や「医療情報取得加算」などが新設され、電子カルテの共有や資格確認システムへの対応が急務となりました。
レセプトについて詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
スタッフへの情報共有や研修
2026年の診療報酬改定に向けては、院内全体で改定対応の体制を早期に整えましょう。改定は診療部門だけでなく、医事課・看護部・リハビリ部門など多岐にわたって影響するため、スタッフ全員が共通認識を持つことが大切です。
まず、過去の改定内容や算定ルールの変更点を振り返り、どの業務にどのような影響があったのかを整理しましょう。
たとえば、2024年の改定では「医療DX加算」や「ベースアップ評価料」などの新設により、カルテ入力手順の変更、届出書類の追加、加算要件の確認作業などが発生し、現場の実務負担が増加したと想定されます。
次に、新たな加算や評価項目への対応を見据えて、診療部門と事務部門が連携した研修を実施しましょう。
算定要件や届出基準の理解に加え、医療DXの進展も踏まえた電子カルテやレセプトシステムの操作研修を実施することで、現場の対応力を高められます。
さらに、改定直前の混乱を防ぐためには、院内マニュアルや情報共有の仕組みを早めに更新しておくことがポイントです。
研修内容や改定対応の手順を共有できるフォーマットを整備し、スタッフ全員がいつでも確認できる環境を構築しておくと良いでしょう。
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診療報酬改定の時期には、レセプトシステムの改修費用や職員の賃上げ対応など、一時的な運転資金の確保が必要になることがあります。
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まとめ
診療報酬改定は、2年ごとに実施される日本の医療制度における重要な見直しです。2024年には医療・介護・障害福祉の3分野で同時に改定が実施され、賃上げの促進・医療DXの推進・感染症対策の強化など、幅広いテーマで改革が進みました。
次回の診療報酬改定は2026年に予定されています。医療機関は、レセプトシステムや電子カルテの改修、人材確保、職員研修などを早めに進め、改定対応に備えることが求められます。
改定に伴うシステム改修費や賃上げ対応などで一時的な資金が必要になる場合は、AGメディカルの「診療報酬担保ローン」をぜひご活用ください。


