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クリニックの利益率はどのくらいが目安?売上との関係や診療科別のデータも解説
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クリニックの利益率はどのくらいが目安?売上との関係や診療科別のデータも解説
クリニックの利益率はどのくらいが目安?売上との関係や診療科別のデータも解説
医療機関/クリニック/歯医者
公開日:
クリニックを経営するうえで、利益率と売上の両方を意識することは重要です。
売上が順調に伸びていたとしても、利益率が低いと十分な資金が手元に残らず、経営の安定性を損なうリスクが高まります。いっぽう、利益率が高くても、売上自体が小さい場合には、十分な収益を確保できません。
本記事では、クリニックの利益率の目安や利益率を上げる方法を解説します。利益率の目安を知りたい方や、安定したクリニック経営をめざしたい方は、ぜひ参考にしてください。
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もくじ
利益率とは
利益率とは、売上に対する利益の割合を示す指標です。
たとえば、売上が1,000万円で利益が100万円の場合、利益率は10%となります。この場合、売上規模は大きくても実際に手元に残る資金はわずかであり、経営改善の余地があるといえるでしょう。
反対に、売上が500万円でも利益が150万円あれば、利益率は30%となり、売上規模は小さくてもより健全な経営ができていると判断できます。
以下では、クリニックで使用する利益率の種類や粗利率との違いを解説します。
クリニックで使用する利益率の種類
クリニック経営で活用される利益率には、主に5つの種類があります。
種類
定義
計算式
売上総利益率
売上高に対する、売上高から売上原価を差し引いた売上総利益の割合
売上総利益率=売上総利益÷売上高×100
医業利益率
医療収益(診療報酬など)に対する、人件費・薬剤費・医療材料費・減価償却費など本業にかかる費用を引いた利益の割合
医業利益率=医業利益÷医業収益×100
売上高経常利益率
売上高に対する、営業利益に受取利息などの財務収支を加減した経常利益の割合
売上高経常利益率=経常利益÷売上高×100
売上高税引前当期純利益率
売上高に対する、税引前当期純利益の割合
売上高税引前当期純利益率=税引前当期純利益÷売上高×100
売上高当期純利益率
売上高に対する、売上高から税金などを差し引いた当期純利益の割合
売上高当期純利益率=当期純利益÷売上高×100
表にまとめた5種類の利益率は、それぞれ異なる角度からクリニックの経営状況を把握するために用いられる指標です。計算式にデータをあてはめて、算出しましょう。
粗利率との違い
粗利率は、売上総利益率と同じ意味を持ち、売上高から売上原価を差し引いた粗利が売上高に占める割合を示します。診療やサービス提供における原価状況を把握するための基本的な指標です。
いっぽうで、利益率は、粗利率も含む広い概念です。営業利益率、経常利益率、当期純利益率など複数の種類があり、それぞれが経営の異なる側面を評価します。
利益率と売上の関係
健全なクリニック経営をめざすうえでは、売上と利益率は切り離して考えるのではなく、常にセットで捉えることが大切です。売上が大きくても利益率が低ければ手元に資金が残らず、経営が不安定になりかねません。
たとえば、多くの患者を診察して一時的に売上が伸びても、人件費、医薬品費、家賃などのコストが同時に増加していたり、診療単価が低すぎたりする場合、最終的な利益は思うように伸びないでしょう。
いっぽうで、売上規模が小さくても利益率が高ければ、効率的な経営が実現できていると評価できます。
つまり、売上だけではなく、利益率を加味して分析することで、クリニックの収益力を正しく判断できます。
クリニックにおける医業利益率の目安
クリニックの医業利益率は、診療科や立地条件によって変動します。
本章では、令和5年度に厚生労働省が実施した医療経済実態調査の結果をもとに、以下の項目に分けて医業利益率の目安を解説します。
- 診療科別の医業利益率
- 地域区分別の医業利益率
診療科や開設している地域をもとに、それぞれの医業利益率を参考にしてください。
診療科別の医業利益率
一般診療所(個人(青色申告者を含む))と医療法人における診療科別(入院診療収益なし)の医業利益率を整理しました。
初めに、一般診療所(個人(青色申告者を含む))における診療科別の医業利益率(小数点第2位で四捨五入)は、以下のとおりです。
診療科
医業利益率
損益差額
医業収益
内科
33.3%
29,224千円
87,867千円
小児科
39.9%
39,496千円
99,010千円
精神科
39.5%
20,041千円
50,727千円
外科
23.1%
25,203千円
108,955千円
整形外科
22.1%
23,007千円
104,103千円
産婦人科
28.1%
31,032千円
110,592千円
眼科
30.3%
30,195千円
99,564千円
耳鼻咽喉科
37.0%
26,262千円
70,911千円
皮膚科
37.0%
24,295千円
65,583千円
その他
20.7%
27,657千円
133,366千円
出典:厚生労働省「第24回医療経済実態調査(医療機関等調査) 報告」(令和5年実施)
続いて、医療法人における診療科別の医業利益率(小数点第2位で四捨五入)は、以下のとおりです。
診療科
医業利益率
損益差額
医業収益
内科
11.7%
19,298千円
164,675千円
小児科
18.8%
30,178千円
160,866千円
精神科
10.2%
11,407千円
112,344千円
外科
15.2%
26,101千円
171,390千円
整形外科
5.1%
7,520千円
148,491千円
産婦人科
6.0%
12,836千円
214,957千円
眼科
7.6%
11,292千円
147,821千円
耳鼻咽喉科
11.5%
13,364千円
116,622千円
皮膚科
7.7%
8,677千円
112,861千円
その他
9.4%
37,477千円
396,674千円
出典:厚生労働省「第24回医療経済実態調査(医療機関等調査) 報告」(令和5年実施)
表のとおり、個人と医療法人では診療科別の利益率に大きな差があります。
個人では、小児科・精神科・耳鼻咽喉科・皮膚科などの診療科では40%近くの高い利益率を示しており、規模が比較的小さい診療所でも効率的に収益を確保できていることがわかります。
いっぽう、外科や整形外科では20%近くにとどまり、コスト構造の影響を強く受けていると考えられるでしょう。
対して、医療法人では10%未満の診療科も多く、20%を超えるところはありません。特に整形外科、産婦人科は5〜6%台とかなり低く、大規模化や人件費・設備費の負担が利益率を押し下げていることがうかがえます。
つまり、個人診療所は規模が小さい分、コストを抑えて利益率を高めやすいのに対し、医療法人は規模の拡大に伴う固定費や人件費の増加で、利益率が低下しやすい傾向があるといえるでしょう。
地域区分別の医業利益率
続いて、地域区分別の医業利益率を整理しました。
地域区分
医業利益率
損益差額
医業収益
1級
15.4%
22,236千円
144,086千円
2級
12.7%
16,856千円
132,537千円
3級
20.2%
29,993千円
148,353千円
4級
8.1%
12,335千円
152,407千円
5級
15.6%
22,719千円
145,869千円
6級
17.0%
30,279千円
177,824千円
7級
14.6%
23,212千円
158,464千円
出典:厚生労働省「第24回医療経済実態調査(医療機関等調査) 報告」(令和5年実施)
地域区分とは、地域ごとの人件費の差を調整するために定められているものです。診療報酬や介護報酬などにおける算定基準のひとつとして用いられています。
なお、1級地は東京都特別区を指し、2級地は東京都町田市や狛江市が含まれます。詳しい地域区分は、厚生労働省「地域区分について」を参考にしてください。
地域区分別に医業利益率を見ると、地域によって大きな差があることが分かります。
3級地は20.2%と最も高く、埼玉県さいたま市、千葉県千葉市、東京都八王子市などが含まれます。いっぽう、4級地は8.1%と最も低く、地域による診療報酬やコスト構造の違いが収益性に影響を与えていると考えられるでしょう。
診療報酬について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
クリニック経営で必要なそのほかの指標
クリニック経営を安定させるためには、利益率だけでなく、固定費や人件費の割合なども確認することが大切です。
以下では、クリニック経営に必要なそのほかの指標を解説します。
損益分岐点
損益分岐点とは、売上高と費用がちょうど同じ水準となり、利益も損失も出ない境界を指します。経営の健全性を判断する基準となるため、クリニックを経営するうえで必ず把握しておくべき重要な指標です。
営業利益が0になるときの売上高を「損益分岐点売上高」といい、以下の式で算出されます。
損益分岐点売上高=固定費÷(1−変動費率)
たとえば、固定費が月500万円、変動費率が0.3(30%)の場合、損益分岐点売上高は約714万円となります。この売上を下回れば赤字、上回れば黒字です。
さらに、損益分岐点比率を計算すると、売上高に対して損益分岐点に必要な収益がどの程度を占めているかを確認できます。計算式は以下のとおりです。
損益分岐点比率=損益分岐点売上高÷売上高×100
なお、損益分岐点比率における健全性の目安を以下にまとめました。
損益分岐点比率
健全性
90%以上
危険
80〜90%
普通
70〜80%
やや優良
70%以下
優良
出典:日本医師会「医療経済実態調査の問題点と医業経営の実態について」
損益分岐点比率が100%を下回っていれば利益が出ており、反対に100%を超えていれば赤字を意味します。
家賃比率
家賃比率とは、売上高に占める家賃の割合を示す指標です。
クリニック経営において立地のよさは集患力につながるため、立地も慎重に選ぶ必要があります。しかし、過大な家賃負担は利益率を圧迫し、経営を不安定にする要因となります。
目安としては、売上高の6〜8%に収まることが望ましいでしょう。
特に都市部では家賃が高騰しやすいため、集患効果と収益性のバランスを見極める必要があります。
人件費率
人件費率とは、売上高に占める人件費の割合を示す指標です。
たとえば、月間売上が2,000万円で人件費が900万円であれば、人件費率は 45% となります。人件費は給与や賞与のほか、社会保険料や福利厚生費なども含まれるため、経営において大きな比重を占める要因です。
厚生労働省の「医療機関を取り巻く状況について」によると、2018年時点では100床当たりの人件費が855,635千円であるのに対し、2023年には947,106千円となっており、2018年から2023年の間に10.7%増加しています。
人件費の増加は、クリニック経営を圧迫する要因にもなり得ます。安定した経営のためには人件費を定期的に見直し、適正水準を維持することが重要です。
クリニックの人件費については、以下の記事もあわせて参考にしてください。
人時生産性
人時生産性とは、従業員1人が1時間あたりにどれだけの粗利益を生み出しているかを示す指標です。
クリニック経営における労働効率を測定するために活用でき、限られた人員や労働時間の中でどれほど効率的に収益を上げられているかを評価する基準となります。
人時生産性を求める計算式は、以下のとおりです。
人時生産性=粗利益÷総労働時間
人時生産性が高ければ、少ない時間で大きな成果を生み出していることを意味し、効率的な人員配置や生産性の高い業務運営ができていると評価できます。
反対に、人時生産性が低ければ人件費が過剰にかかっている、あるいは業務フローに無駄が多いなどの問題が潜んでいる可能性があるでしょう。
クリニックの利益率を上げる方法
クリニックの利益率を高めるには、単に売上を増やすだけでは不十分です。費用構造を見直し、効率的な運営を図ると同時に、新しい収益源を確立する取組みを並行して進めることが求められます。
具体的な方法として、以下のような施策が挙げられます。
経費を見直す
経費の見直しは、クリニックの利益率を改善するうえで効果的な取組みの1つです。経費の内容を正しく把握し、不要な支出を抑えることで利益率を安定的に高められます。
経費として挙げられる項目は、以下のとおりです。
- 家賃や共益費
- 人件費
- 医薬品費
- 医療材料費
- 検査委託費
- 水道光熱費や通信費
- 広告宣伝費やホームページ運営費
- 消耗品費
- 会議費
- 研修費
- 修繕費
特に固定費である家賃・人件費や、変動費である医薬品費・医療材料費は、経営に与える影響が大きいため、重点的に見直す必要があります。
医療機器のリースを活用する
医療機器の導入は、クリニック経営で大きな投資負担となりますが、リース契約を活用することで費用を抑えられます。リース契約とは、リース会社が医療機器を購入し、クリニックに対して一定の期間・料金で貸与する仕組みです。
購入と異なり一度に多額の資金を準備する必要がなく、毎月のリース料を経費として計上できるため、キャッシュフローの見通しを立てやすくなります。
さらに、多くのリース契約には保険が付帯しており、突発的な故障や損害が発生した際にも対応できるため、あんしん感があります。リース契約を上手く活用すれば、サービスの質向上と経営効率の両方にメリットが得られるでしょう。
売上の改善を図る
利益率を高めるためには、経費削減だけでは限界があります。そのため、売上の改善を図ることも頭に入れましょう。
売上は「診療単価×患者数」で決まるため、どちらの要素に働きかけるかでアプローチが変わります。クリニックの特徴や患者数を踏まえて、最適な方法を選択することが大切です。
具体的に、売上を改善する策として、以下の方法が挙げられます。
- 診療単価の向上
- 予約システムの導入
診療単価の向上
患者数の増加には限界があるいっぽうで、1人あたりの診療から得られる収益を引き上げれば、無理のない範囲で売上全体を拡大できます。
診療単価を向上させる方法として、自由診療の導入が挙げられます。自由診療とは、公的医療保険が適用されない診療やサービスであり、患者が全額自己負担で支払う仕組みです。
保険診療は、厚生労働大臣が定めた診療報酬に基づいて収益が決まるため、価格調整の余地がありません。いっぽう、自由診療は自由に価格設定できるうえ、原価率が低いサービスも多い点が特徴です。
自由診療の例は、以下のとおりです。
- 予防接種
- 一部検診・健診
- 美容医療
- 各種検査
- サプリメントや医療機器の販売
ただし、1つの疾患に対する一連の治療過程において、保険診療と自由診療を組み合わせておこなう「混合診療」は日本では原則として認められていません。ルールをしっかりと理解したうえで検討しましょう。
予約システムの導入
診療予約をオンライン化することで、限られた診療時間を効率的に活用できます。患者は、スマホやPCから24時間いつでも予約が可能になり、クリニック側も予約状況をリアルタイムで把握できるため、業務効率が向上します。
また、待ち時間の短縮やスムーズな受付対応は患者満足度を高め、再診率の向上や口コミによる新規患者獲得の促進にもつながるでしょう。
さらに、診療枠を最適化できることで、1日あたりの診療人数を増やせる可能性があります。
予約システムなどのITツールを導入し医療DXを進めることで、人手不足や地域ごとの医療格差などの課題を解決し、より質の高いサービスを提供できるようになります。
なお、ITツール導入にかかる資金面に不安がある場合は、「IT導入補助金」の活用を検討しましょう。補助金を利用することで、初期費用の負担を軽減しながら予約システムを導入できます。
医療DXについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
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まとめ
クリニック経営において、利益率は売上と同じくらい重要な指標です。売上が大きくても経費がかさめば利益率は低く、反対に利益率を高められれば安定した経営へとつながります。
利益率の水準は診療科や病床規模などによって異なります。損益分岐点・家賃比率・人件費率・人時生産性といった複数の指標をあわせて確認することで、クリニックの経営状態をより客観的に把握できます。
さらに、利益率改善や経営安定のためには、予約システムをはじめとしたITツール導入なども方法のひとつです。ITツールを導入する際には、補助金の活用や資金調達を検討するとよいでしょう。
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